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help リーダーに追加 RSS 中国残留邦人問題が問うもの

<<   作成日時 : 2007/12/22 23:15   >>

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 12月定例議会の一般質問では、総合的な自転車交通政策の確立と中国残留邦人への支援について取り上げました。
 軍国日本の国策の一環として、満蒙開拓団が組織され、多くの日本人が戦前旧満州(現在の中国東北部)に渡りました。しかし、ソ連軍の参戦により、旧満州の関東軍は総崩れになり、多くの民間人が混乱の中、日本を目指し引き揚げました。飢えやソ連軍による暴行などに脅かされながら、生き残るために、子どもを中国人の家族に預けたり、中国人と結婚した女性が残留孤児、残留婦人として戦後、50年も60年もたった今でも問題になっています。
 一時はマスコミも取り上げていましたが、今は中国帰国者の問題は人々の意識から風化されつつあります。しかし、帰国者に対しての国の支援は不十分であり、また窓口になる自治体の対応もひどいものがあり、全国で国を相手取って国家賠償訴訟が行われました。
 古くは薬害HIV、最近の薬害肝炎や年金問題や高齢者医療、障害者自立支援法など福祉切捨ての厚生労働省は同様に中国帰国者問題でも動かないので、議員立法により11月28日中国帰国者支援法の改正案が全会一致で成立しました。老齢基礎年金の支給額の引き上げなど従来よりは生活の安定面では前向きなものがあります。
 12月5日には福田総理が中国帰国者の代表と会い、謝罪を行いました。これにより、国家賠償請求訴訟は取り上げられました。
 そこで窓口である自治体の対応の改善を眼目に質問をしました。
 自治体で支援の対象になる帰国者の実態の把握と支援策の周知については、福祉保健部長から、国からの情報だけでなく、介護のサービスを受けているところから該当する人がいないかなど情報の把握に努めることや当該の方への直接の支援策の案内や市報による広報を行う答弁がありました。
 問題は窓口対応です。これまで中国帰国者の方への扱いが生活保護の枠で給付されている中で、各地で窓口でのトラブルが発生していました。例えば、新聞でも報道されたことですが、横浜市の中国帰国者の方が孫の病気の看病で3週間家を空けると、どこでどうしていたのかという書類を書かせられるということがあったそうです。まるで監視状態であることに不愉快な思いをされたそうです。同様のトラブルが多く、「福祉事務所を窓口にして欲しくない」という願いがあり、国や東京都も支援策の窓口は福祉事務所に限らなくても良いといっています。
ここでいう福祉事務所というのは生活保護の給付窓口ということです。
 この点については答弁では「今の段階では具体的なことを言うのは難しい。ただ生活保護ということではなく、日本を離れることを余儀なくされ、帰国することを妨げられた人たちへの人権問題と思っているのでそういう視点から生活支援をさせていただくことを考えている。東京都の説明を聞いてから検討するが、その方が尊厳を持って相談できることを基本としたい」という内容でした。後日聞くと、給付係ではなく、地域福祉係を窓口にし、ケースワーカーと相談しながら対応するということになりました。
 稲葉市長自身が赤ん坊のときに敗戦になり、お母さんに連れられて満州から引き揚げてきた人でもあります。そこでこの問題への市長の見解を問いました。市長は「戦争の責任は国の責任。満額で55万円の老齢基礎年金で生活するのはお気の毒ではないかと思う。国の政策の誤りということで、今だにたいへん思いをしているわけだから国が支援策をとるのは当然である。10月に市長会が出した中国残留邦人への新たな支援策の緊急要望の実現のために努力したい。」という内容の発言でした。
 中国帰国者がなぜ長年帰国することができなかったのか、いろいろ調べるうちに、いかに国が帰国を補償しなかったのかということが見えてきます。例えば、男性の帰国者が中国人の妻と子どもをつれて帰国する場合は妻や子どもに日本国籍を認めるが、逆に女性が帰国するために中国人の夫と子どもをつれてこようとすると国籍の変更を認めなかった時代もありました。国費を使って帰国する場合の条件が厳しい時代には、けれず、やむなく親戚から借金して帰国された方もいます。そして帰国後も職業訓練のための語学研修がわずか1年間という実際から遊離した支援策でした。
 あらためて、この問題を風化させないためには、中国残留邦人問題は直接被害を受けた方々を生み出した過去の侵略戦争への国の責任の問題であり、現在に続く人権問題でもあることを国民に問いかけていると思います。

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